1914（大正3）年創業の渡邊酒造場。愛媛県出身の初代は、アメリカで林業にたずさわった後、製材所を営むために宮崎に移り住みました。その時に売りに出ていた焼酎蔵を買い取ったのが始まりです。
風土で酒を醸す
渡邊酒造場では、焼酎の原料となる黄金千貫を自分たちの畑で栽培しています。原料芋の栽培に使う種芋も、蔵で大切に管理しています。農薬の利用は最低限に抑えて、しっかりと肥えた土で栽培しています。芋を掘りながらその場で選別を行い、土の中にも微生物や野生の酵母がすんでいて、発酵に適したものもいる芋が育つ土壌や環境全体で焼酎を醸し出すという想いのもと、過度に芋に付着した土は洗い流さず使用して、仕込時期は暑すぎず、寒すぎない時期に行い、微生物に任せた自然な発酵を行います。蒸留は原料芋が酒精へと生まれ変わる完結の瞬間です。渡邊酒造場の特殊な常圧蒸留機で定説の蒸留時間よりよりも長い蒸留時間でゆっくりと丁寧に蒸留を行います。生まれたお酒は、ゆっくりと時を重ねて熟成し、奥行きがあり、伸びやかな焼酎となって蔵出しされます。